“入社”が“ジョイン”?カタカナ語に鳥肌…テレ朝アナが40歳で転職して直面したギャップとは
新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。
40歳を超えてから、スタートアップ企業である「令和トラベル」に転職。現在は、令和トラベルが運営する旅行アプリ『NEWT(ニュート)』の広報、まさに「会社の顔」として活躍中です。
第2回となる本記事では、キャリアチェンジをして、新しい環境に挑んだ大木さんの本当の本音の部分を掘り下げていきます。
【過去記事】⇒連載「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」を読む
【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」
アナウンサーとして18年半。
その肩書きを手放し、40歳という節目に、スタートアップへの転職を決意しました。
私の場合、前職とはまったく異なる業界・業種のいわゆる「キャリアチェンジ」。今までのスキルがストレートには活かせない。そんな場所に飛び込む決断でした。
振り返ってみると、存分にしんどい3年間だったなと思います。
不思議なことに、3年経った今、ようやく「本当にしんどかったな」と口にできるようになりました。
決してネガティブな意味合いではなく、しんどい日々を生き抜いた自分を認めることができた。そういう意味で、一歩前進したという感覚でいます。
そんなふうに思える今だからこそ、私がこの3年間でぶつかった壁、乗り越えてきたことを、今日は振り返ってみたいと思います。
入社してから、とにかく「違い」の連続で苦しみました。
まず、使い慣れないITツールや耳慣れない業界用語の違い。スタートアップでは「入社」を「ジョイン」と言ったり、カタカナのビジネス用語をよく使うんですが、最初は正直、「なんでそんなにカッコつけるの?」とちょっと鳥肌が立つくらい違和感があって(笑)。
そういう言葉にも少しずつ慣れ、半年ぐらいしたらすっかり染まって、「令和トラベルにジョインした大木です!」とサラッと言っていました(笑)。ITツールや用語はあくまで、道具に過ぎず、スタートのインパクトは大きかったものの、意外と時間とともに使いこなせるようになりました。
しかし、入社3か月ほど経ったころ、今度は仕事のリズムの違いで、身体に異変がおきました。
アナウンサー時代は、収録や生放送など、本番の数分~長くて数時間に、最高潮に気を張り、終わったあとは、仕事モードのスイッチは完全にオフになっていました。もちろん、上手くいかなかった日などは、反省が多くグジグジと気にしてしまうこともありましたが、緊張感は残りませんでした。
一方で転職してからは、仕事の終わりが見えない感じがして。アナウンサーの仕事のほうが特殊で、一般的なデスクワークなどではむしろ当たり前なのかもしれませんが、今日までにやるべきこと、明日まで、週末まで、来月までと、タスクがどんどん山積していき、一日の仕事終わりが見えない感覚がありました。自分で意識しないと仕事のスイッチがオフにできず、眠りが浅くなり体調を崩してしまいました。
仕事内容は刺激的で、本当に楽しく過ごしていたのですが、キャリアチェンジに伴うリズムの変化は、中年の身体にも応えるものがありました。これももしかしたら、40代の転職のリアルかもしれません(笑)。
40歳のキャリアチェンジを振り返って

耳慣れないカタカナのビジネス用語に鳥肌が
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